タマミジンコをどうやったら室内で爆殖できるか2ヶ月位ずっと実験していましたが、増やすコツがわかってきたので記事にまとめます!
タマミジンコの増やし方・管理方法の基礎と、ズボラな管理方法で爆殖させたレシピを紹介します。
目次
スポンサードリンク
タマミジンコの増やし方
タマミジンコの繁殖方法は皆さんそれぞれのレシピがあると思いますが、今回は私がやっている室内でも使える方法を書きます。
飼育ケース
タマミジンコはペットボトルでも増やせる小さな生き物ですが、飼育ケースが大きい(水量が多い)方が増やすのに有利です。
また、エアレーションをすると少なからずミジンコにダメージを与えてしまい増殖が鈍るので、エアレーションをしなくても酸素を供給しやすいように水深は浅めで管理します。
試した結果では、水深が浅い容器でエアレーション無しの方が安定して増やせました。エアレーションの泡や水流がミジンコにダメージを与えるのは本当のようで、泡や水流を消してエアレーションするにはそれなりの器具や工夫が必要です。
飼育ケースはNVボックス(#13)やプラ舟のような浅い容器が理想的で、NVボックスだったらそんなに邪魔にならないので室内でも十分使えます。
もっと小規模で増やしたいなら昆虫用のプラケースか、蓋付きタッパーでも大丈夫です。その場合は、全滅対策として容器を最低でも2つ以上に分散させて管理します。
餌
餌は臭いの少ない、生クロレラ水、グリーンウォーター、ドライイースト辺りを使います。鶏糞は臭いがあるので室内は勿論、屋外でも近所迷惑になりそうなら利用は控えましょう。
生クロレラは濃縮タイプが売っているのでそれを使うのが簡単ですが、濃縮タイプは原液が臭く保存期間も短くコスパが悪いので、ミジンコを一杯増やしたい方以外には不要だと思います。
生クロレラ水、グリーンウォーターをペットボトル等で培養しつつ、ドライイーストを補助的に使うのがコスパも良く効果も良いです。
飼育水
飼育水はカルキ(塩素)抜きした水道水を利用します。
屋外なら太陽に1日も当てれば塩素は抜けますが、室内だと完全に抜けないので市販の中和剤を使ってカルキ抜きをしてください。
水道水の塩素がどれ位で抜けるかは下記記事にまとめています。
餌の与え方
タマミジンコへの餌の与え方ですが、いずれの餌も飼育水が薄っすら濁る程度を最初に与えます。
クロレラ、グリーンウォーターはアルカリ性なので大量に投入してしまうとミジンコがPHショックで死にやすく、ドライイーストは腐敗の元となってしまうので程々に与えます。
一晩経ってすっかり水が澄んでいるようならまた追加で餌を与えますが、まだ濁っているようなら与えすぎです。餌の量はミジンコの数次第なのでここは様子を見ながら与えて感覚を掴みましょう。
また、ミジンコが食べる餌については下記ページにまとめていますので、よかったら参考にしてみてください。
タマミジンコの増えるペース
タマミジンコは環境が良いと雌だけが生まれクローンを産んで増えていきますが、増える目安では5日で2倍から3倍位じゃないかなと思います。
ねずみ算式で増えていくので計算上ではとんでもないペースで増やせる事になりますが、飼育ケースが一杯になればそこで繁殖は止まってしまう傾向にあります。(理由は後述します)
なので餌として培養している分は最大でも一週間程度で完了させる事が多いです。
タマミジンコが増えたら
餌の与え方が適切だとタマミジンコも順調に増えていきますが、容器の水面に群れが溜まりだしたら間引くかリセットしてしまいます。
最初の一週間までは順調に増えると思いますが、ピークに達した辺りから繁殖が鈍り全滅はしないが増えないという状況になりやすいです。これはタマミジンコが繁殖抑制物質を出しているのではないかと思うのですが、同じ飼育水を使っていると爆殖後にもう一度爆殖させるって中々成功しませんでした。
特に、休眠卵を持った個体の出現や底に休眠卵が溜まっているようであればリセットした方が早いです。
タマミジンコは一気に増えて一気に居なくなる生き物だと思っていますので、もうちょっとのんびり増やしたい人はオオミジンコの方がオススメですよ。
ズボラ培養のレシピ
タマミジンコの飼育ケースが増えてくるとだんだん餌やりもしんどくなってくるので、タマミジンコのズボラ培養方法を考案しました。
- 飼育ケースはNVボックス(#13)を使う
- 飼育ケースに水6Lを入れる
- 濃縮生クロレラを12ml、ドライイーストを耳かき5杯程度入れる
- ミジンコを1g~2g程度入れる
- 24度の室内で3日~5日間培養する(餌は追加で与えない)
この方法のメリットは最初以外に餌やりは不要な事と、小さなスペースでも大量にタマミジンコが培養できる事です。勿論、大きなプラ舟を使えばもっとタマミジンコを増やせます。
濃縮生クロレラとドライイーストを使う方法なので培養環境の再現性は高いですが、濃縮生クロレラのコストが高めなのがデメリットでしょうか。
上記で「餌を与えすぎない」というやり方に逆行して、餌を最初に過剰投与しているので失敗もたまにあります。その場合は収穫できるミジンコの量が半分程度だったり、飼育水が腐敗して臭うという難点もあるので、増え方が微妙と感じたら早々にリセットしてやり直しします。
また、濃縮生クロレラは良いミジンコの餌になりますが、もっと安価な餌で同様の結果を出せないかを現在模索中です。
どれ位増やせたか?
セット後、5日間放置で1ケース最大「11g(約33,000匹)」まで増やせました!
2ケースで同時培養しましたがもう一つのケースでは9gだったので、合わせると20g(約60,000匹)と爆殖に成功したと言えます。
タマミジンコ「1g = 3,000匹」の根拠は大体これくらいでカウントしている人を参考にしたもので、正確かどうかはわかりません。水分やゴミも含まれている重量ですし、数えるのも大変なので目安程度としてお考えください。
タマミジンコ1gはどれ位の量か?
もう少し違う尺度で考えると、タマミジンコが1gあれば13匹の小型熱帯魚に十分な量が行き渡ります。
1gだとそんなに多くはないものの、小型魚の胃袋もたかが知れているのでお腹いっぱいになるようです。
- レオパードダニオ 3匹(大食い)
- チェリーバルブ 5匹(大食い)
- ブラックネオン 5匹
いずれも飼い込んだ成魚サイズ。それぞれが満腹になるにはタマミジンコ2g程度は必要。
このデータを元に考えると、タマミジンコ10gは小型魚、約100匹~150匹分の餌にはなりそうです。
余談ですが「ミジンコは色揚げ効果がある」というのは本当のようで、ミジンコを与えた後数日は発色が凄く良くなります。魚も好物を食べると調子が良くなるんですね。
鶏糞についての考察
自分のテーマは「鶏糞を使わずにタマミジンコを大量培養する」なのですが、色々な資料を見ているとやはり鶏糞はタマミジンコの繁殖剤として有用なようです。
鶏糞はそれに含まれる有機物を食べるバクテリアや微生物、栄養を吸収して増殖する植物プランクトンがタマミジンコの餌になりますが、それ以外にも雌鶏が排出する女性ホルモン(エストロゲン)が繁殖に関係しているのではという情報もあります。
上記で一定期間をすぎると繁殖が鈍ると書きましたが、鶏糞に含まれる女性ホルモンがもし効いているのだとすれば、油かすやその他の有機肥料でどうして鶏糞の代わりにならないのかが頷けます。栄養だけじゃダメだって事ですよね。
正直、試してみたくてウズウズしているのですが、田舎育ちであの臭いを知っているだけに室内で鶏糞を使うのには躊躇します(笑)
まとめ:タマミジンコを増やすのは簡単
以上がタマミジンコの増やし方ですが、今の所このやり方が自分の中ではベストかなと思っています。(室内培養で)
同じ容器で増やし続けるのは難しいけど、割り切って「増えたら種ミジンコを少し間引いてそれでリセット」を繰り返して行けば維持は簡単です。
タマミジンコが中々増えないという方は参考にしてみてください!
とても良いレポートです。ありがとう!