「ミジンコの餌って何?」ミジンコを増やそうと思った時にまず悩むのが餌です。
ミジンコを増やすのはそう難しくないものの、ミジンコに与える餌はこれがベストという物がないだけに意外と大変。
そこで、ミジンコを飼育してきた中でこれまでに試行錯誤して試した結果を書き残しておこうと思います。
スポンサードリンク
ミジンコの餌の食べ方
ミジンコは緑藻、珪藻等の植物プランクトン、バクテリア等を食べる生き物ですが、参考としてそれをどのように食べているかをまず見てみます。
顕微鏡でミジンコを観察すると、殻の中の脚を掻いて水流をおこし周りの浮遊物を吸い取って食べる様子を確認できます。
タマミジンコに緑藻を与えてみるとこんな風に食べるようです。
植物プランクトンやバクテリアを選り好んで食べているというよりも、口に入る有機物を食べているように見えます。
浮遊しやすい有機物というのが一つのキーワードとなりそうですね。
ミジンコの餌に使える物
ここでは実際に試して一定の効果があった物、試してはいないけど情報収集で得た有用そうな物をまとめています。
一定の効果とはミジンコの餌として有効で、増えやすい物ほど星の数が多いです。また、ミジンコの餌は臭い物が多いので臭いレベルも星の数で表しています。
なお、この評価は主観ですので参考までに。
植物プランクトン系
餌 | 入手方法 | 使い方 | 臭い | ミジンコの増えやすさ |
---|---|---|---|---|
クロレラ | 通販・自家培養 | 水が薄緑になる位与える | ||
イカダモ | 自然採集・自家培養 | 水が薄緑になる位与える | ||
珪藻類 | 自然採集・自家培養 | 浮遊しやすいように与える |
ここで言うクロレラとは生クロレラ水とか濃縮クロレラの事を指します。クロレラ水だったら臭くはありませんが濃縮クロレラの原液は臭うので注意。
イカダモはクロレラと同じ緑藻ですが沈澱、付着しやすく底に固まるのでミジンコにとっては食べにくい餌のようです。培養は簡単で増殖も早いのですが餌としては微妙でした。
珪藻は熱帯魚水槽に自然発生したもので、試した種類はクチビルケイソウだと思う。珪藻はミジンコも食べますが沈澱、付着しやすく水中に漂わせるのが難しいです。培養も緑藻類に比べ面倒ですしあえて選択する必要は無いと思います。
酵母・細菌系
餌 | 入手方法 | 使い方 | 臭い | ミジンコの増えやすさ |
---|---|---|---|---|
ドライイースト | 食品として購入 | 溶かして薄っすら濁る位与える | ||
光合成細菌(PSB) | 通販・自家培養 | 直接投与 | あまり増えないとの情報 |
ミジンコと言えばドライイーストという位有名な餌なので、ドライイーストは使いやすくまずまず増えます。ただ、ドライイーストは底に溜まりやすくそれが腐敗に繋がるので加減が難しい餌です。
光合成細菌はバクテリアとして熱帯魚の水槽に入れた事はありますが、独自の臭いがキツく、情報収集した限りではあまり有効性はなさそうな感じでした。
その他、EM菌や乳酸菌、生きたビール酵母等、日常でも手に入り培養可能な物はいくつもあるので機会があればこちらも試してみたいと思います。
肥料系
こちらはミジンコの直接の餌にはならないですが、有機物(が溶け込んだ飼育水)に湧くバクテリアを餌として使う方法です。
これらの素材は安価で手に入る物が多く、保存も簡単なので色々と試してみてます。
餌 | 入手方法 | 使い方 | 臭い | ミジンコの増えやすさ |
---|---|---|---|---|
乾燥鶏糞 | 肥料として購入 | 水に一晩浸ける | かなり増えるらしい | |
発酵鶏糞 | 肥料として購入 | 水に一晩浸ける | 増えるらしい | |
炭化鶏糞 | 肥料として購入 | 水に一晩浸ける | ||
油かす | 肥料として購入 | 水に一晩浸ける | ||
幼虫マット | 昆虫用 | 水に一晩浸ける | ||
ソイル | 水草育成用 | 底床材として使う |
有機肥料は水浸けたまま放置しておくと腐敗が始まるので、水に色が染み出した辺りで取り出すのが無難。炭化鶏糞は炭なので数日放置していても臭いはしないが、アルカリ性の肥料なのでそれが問題。
幼虫マットは入れっぱなしの方が餌になるインフゾリアが湧きやすいが、PHを酸性に傾けるのでもしかすると繁殖に影響するかも?(試した限りでは問題無いように見える…)
乾燥鶏糞、発酵鶏糞は環境上試せないので収集した情報になります。
肥料は直接食べる訳じゃいので有機物がどれ位残っているかによって効果が違ってくるのかなと思っています。乾燥鶏糞が農業にもミジンコにも良いって事は相当栄養価が高いって事ですかね。
鶏糞は臭いが凄いので使えませんが、炭化鶏糞は全くの無臭なのでこちらだけは試しました。肥料そのものは無臭で水に浸けても透明のまま。養分が溶け込んだ後もほぼ臭いがしませんが、ミジンコの湧きはイマイチです。
油かすも中々に栄養価が高く養分が溶け込んだ水をそのまま放置すると、分厚いバイオフィルムが形成されて酷い悪臭がしてきます。
幼虫マットはカブトムシ用に安価で売られている発酵マットを使いましたが、これ単体でも穏やかにミジンコが増えました。
ソイルはセットした後は数日窓辺に放置するか、飼育水や緑藻の種水があれば立ち上がりが早いです。少数であれば無給餌での維持も可能なので飼育目的であれば十分使えます。
餌は組み合わせて使うのが良いみたい
上記で試してきた餌を紹介しましたが結論として、一つの餌でミジンコを増やすというのは中々難しいというのがあります。
どれも一長一短があり、栄養豊富な物は臭いがキツく腐りやすい。臭いが少ない物は養分が薄いのかミジンコも増えにくいという印象があり、失敗が少ないと言われる鶏糞は室内培養等では使えないので除外せざるを得ません。
どうしても一つだけというならクロレラを使うのが手っ取り早いですが、肥料系とグリーンウォーター組み合わせたり、イーストを混ぜ込む事でより爆殖したりするので複数の餌を組み合わせるが有効と今は判断しています。
動物性も植物性もバランス良く食べさせたほうが成長具合も良さそうなので、手に入る餌を使って色々試してみるしかないですね。
ミジンコはゾウリムシを食べる?
最後はオマケにゾウリムシは餌になるかどうかについて。
ミジンコはゾウリムシも食べるという情報があり気になったので実験してみました。
こちらは十分なサイズに成長した大人のタマミジンコにゾウリムシを与えてみた時の動画です。
一応ゾウリムシを吸い込む事はできるようですが、ゾウリムシは結構速いので逃げ出したり脚に絡まるとタマミジンコが暴れて吐き出してしまいます。
オオミジンコ位大きければ食べられるかもしれませんが、ゾウリムシ並の大きな動物プランクトンだとタマミジンコには食べられないようです。
ゾウリムシは培養も簡単だし栄養化も高そうなので餌に使えればと思いましたがダメでしたね。
また何かわかれば追記します!
よくわかりました
種麹はミジンコの餌になりますか
試してみる価値はありますが、麹菌はカビの一種とあるので餌になるかは微妙ですね。
水中を常に漂っているなら勝手にミジンコの口に入ると思いますが、底に固まったりする性質ならミジンコは食べられないです。
また、水質を悪化させてしまいそうなので餌よりもそっちの方が心配ですね。
小麦粉とかキッチンで簡単に手に入る物でないですか?
メダカの緑色になった水とか?
簡単に手に入る物ならドライイーストでもある程度は増えてくれます。
ただ、水がダメになりやすくうちでは早々に使うのを止めました。
メダカの緑色の水(グリーンウォーター)は使えますよ。
含まれている緑藻にもよりますが、ドライイーストを使うより断然良かったです。
液肥のハイポネックスがあれば培養も簡単ですしね。