ミジンコと並んで人気の高い生餌のゾウリムシを自宅で簡単に培養する方法をご紹介します。
ゾウリムシはメダカや熱帯魚の稚魚の餌に最適なので、培養に挑戦する方も多い動物プランクトンです。
ミジンコよりも簡単に培養できますし、種ゾウリムシさせあればお金をかけずに増やし続ける事も可能です。
今回はゾウリムシ培養の簡単な方法や、培養中の管理、気になる臭い等について書きます。
この記事はこんな感じの方を対象にしています!
- これからゾウリムシ培養に挑戦する人
- ゾウリムシ培養に失敗してしまう人
- 培養したいけど臭いが気になる人
目次
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ゾウリムシの簡単な培養方法
ゾウリムシの培養はとても簡単です。ここでは初心者でも失敗しないように誰でもできるレシピを書きます。
用意するのは、
- 種ゾウリムシ
- 餌(ビール酵母か米の研ぎ汁)
- 2Lのペットボトル
- カルキ抜きした水
この4つだけです。
種ゾウリムシはネット通販で入手するしかないですが、その他の材料は日常生活で手に入る物ばかりです。
上手に培養するポイントとしては、最初の種ゾウリムシはなるべく純粋培養している物を用意する事です。他の生物が混じっているとゾウリムシが生存競争に負けて、うまく培養できない可能性があります。
ビール酵母のレシピ
ゾウリムシ培養はビール酵母の錠剤を使うのが最も簡単です。
理由は餌の品質のばらつきが少ないため培養の再現性が高いからです。初めてゾウリムシ培養をする方はまずはこちらをお試しください。
ビール酵母の錠剤は「強力わかもと」を使っていますが、エビオス錠でもその他の物でも効果は変わらないと思います。
- カルキ抜きした水を1.7L用意する
- 2Lのペットボトルに①の水を入れ、ビール酵母の錠剤を2錠入れる
- 溶けるまで放置し、種ゾウリムシを100ml程入れ軽くペットボトルを振る
- 一日一回ペットボトルを軽く振り空気を溶け込ませる
- 蓋は閉めずにペットボトルの口に乗せ暗所に静置
種ゾウリムシが100mlも無い場合はあるだけで大丈夫です。
ただし、一番最初にゾウリムシを培養する時は失敗による全滅を防ぐため、必ず2本以上ペットボトルを用意して分けて培養しましょう。
ペットボトルを振って空気を溶け込ませる方法ですが、これは力一杯振る必要は無いです。底にビール酵母の澱が溜まってくるのでそれが全体に撹拌される程度で大丈夫です。
米の研ぎ汁のレシピ
次は「米の研ぎ汁」を利用したエコなレシピです。
ご飯を炊く時に出る米の研ぎ汁って普通は捨てると思いますが、その最初の研ぎ汁を取っておけばゾウリムシの餌に使えます。
ただし、米の量や使った水の量で餌の質はだいぶ変わると思うのでバラツキはでます。また、ビール酵母に比べると密度は上がりにくいです。
自宅では炊く頻度が少ないため、7合を一回あたり500mlの水で研いで一番目と二番目の研ぎ汁、計1Lまでを餌として利用しています。
- カルキ抜きした水を1.6L用意する
- 2Lのペットボトルに①の水を入れ、米の研ぎ汁を100ml入れる
- 種ゾウリムシを100ml程入れ軽くペットボトルを振る
- 一日一回ペットボトルを軽く振り空気を溶け込ませる
- 蓋は閉めずにペットボトルの口に乗せ暗所に静置
米の研ぎ汁はある程度は冷蔵保存もできるので使い勝手は悪くないです。何より廃棄物が有効利用できるというのは素晴らしいですね!
培養液の変化
上記レシピで作った培養液はゾウリムシが増えていくとどんどん変化していきます。
作りたての培養液はこちらで、左が米の研ぎ汁、右がビール酵母です。
培養中はペットボトルの水面に白カビのようなバイオフィルムが出来ますが、それをゾウリムシが食べ増えてくるとこのように水が澄んできます。
底に澱が沈んでいますがこうなるともう餌切れの状態なので植え継ぎをしてまた新しい培養を開始します。
植え継ぎについて
上記レシピでゾウリムシを培養すると大体5日~7日でペットボトルがゾウリムシで一杯になります。
そのままでも2週間位は持ちますが、餌が無くなるにつれゾウリムシも減っていくので、頃合いを見て新しいペットボトルに植え継ぎをします。
やり方は先程のレシピの通りで、培養が完了したペットボトルのゾウリムシを種に使う以外は同じです。
ゾウリムシの温度管理
ゾウリムシの培養中は室温を20度から28度程度にしておくと安定して増やせます。
人が快適に過ごせる空間であればゾウリムシ培養もうまくいきます。
注意点としては寒暖の差が激しくなる季節、夜は10度を下回るようであれば保温対策が必要になります。
実験としてゾウリムシを冷蔵庫(5度)に入れどれ位まで耐えられるか試した所、24時間後には半数以上が死滅。48時間後にはほぼ全滅という結果になりました。
なので、なるべく一定の温度下で培養しましょう。
ゾウリムシって見える?
ゾウリムシは微生物ですがぎりぎり肉眼でも見えます。
ペットボトルの培養液をよく見ると、画像のような動く白い線状の物が見えますがそれがゾウリムシです。
この画像のようにしっかり培養ができると、スポーツドリンクのような色になりビッシリとゾウリムシが湧きます!
ゾウリムシって臭い?
ゾウリムシ培養ははっきり言って臭いです。
ゾウリムシがというよりはゾウリムシの培養液が臭うのですが、餌によって臭いの種類や度合いが変わってきます。
ビール酵母は結構きつくて小型犬のう○こ臭がしてきますが、米の研ぎ汁はこれに比べたらまだマイルドです。
どちらも培養中は強く臭い、培養完了後は餌も無くなるので臭いが減ってきます。
臭いのはちょっと…と思うかもしれませんが大丈夫!ペットボトルを使った培養であれば臭いもそれほど漏れないので数本だったら部屋にも置けます。
ゾウリムシの与え方
稚魚の餌としてゾウリムシを与える場合は、培養液をそのまま水槽に入れて与えます。
ゾウリムシは水面に溜まるので上澄みをスポイトで掬ってあげると水も汚れにくいです。
「こんな臭いのを水槽に入れて大丈夫かな…」と思うかもしれませんが、大量に入れなければ問題ありません。
一気に食べ尽くされなければゾウリムシも水槽に住み着きますし、水の浄化に一役買ってくれるので便利な生き物です。
以上がゾウリムシの簡単な培養についてです!
ゾウリムシは水中の有機物(ゴミ)を分解してくれるので熱帯魚水槽にも添加物としてたまに入れていますが、糞とかが溜まりにくくなった気がします。
簡単に増やせるし有用な生き物なので是非培養にチャレンジしてみてください!
ありがとうございます。
よくわかりました。